2016年 10月 31日
一晩あけて |
2006年の中日との日本シリーズからちょうど10年。
あの頃「次に日本一になるのを見れるのは5年、10年後かな」と漠然とした思いを抱いていましたが。
ほんとに10年かかってしまうとは。
長かった。ほんとに長く感じました。
2連覇を目指した2007年は山井-岩瀬のノーノーリレーで幕を締められ。
梨田監督と共に優勝を果たした2009年は、敵地で守護神・武田久が痛恨の同点弾・サヨナラ弾を浴び、札幌に戻っても勢いを止められず。
栗山監督就任1年目で優勝を果たした2012年も再び巨人と相見えましたが、絶対的エース・吉川がボウカーに打ち崩され、2敗。逆に相手エース・内海が2勝をあげてMVP獲得。2009年に続いてエースを攻略できずの敗戦。
日本一になれるチャンスはあったにはあった。
けれども相手の勢いを断ち切ることができず。
こちらも勢いに乗り切ることができず。
ここ数年はパ・リーグが日本一になっていて、セ・リーグが日本一になっているのは日ハムを下したチームのみ。
そういった事実もあって、ほんとに悔しい思いをした10年間でした。
今年の日本シリーズも敵地・広島で2連敗からのスタート。
大舞台による重圧か。はたまた広島ファンによる熱烈かつ強烈な声援によるものなのか。
守備では考えられないミスが連発し、打線はカープ投手陣に沈黙させられ、どこか自分たちの野球ができないまま終わってしまった感はありました。
これは札幌に戻ったとしても厳しいんじゃないか。4タテもあり得るんじゃないか。
そう思ってしまうほど絶望感がありましたが。
今年のチームは違いましたね。逆境を物ともしない。
だって、今シーズンはほんとに色々とありましたから。
何度も何度も窮地に陥りそうになりました。
ただその度に、1人1人が今持っている以上の力を発揮し。大きく成長していき。
チーム全体としてもどんどん強いチームになっていった。
その姿は日本シリーズでも見ることができましたね。
第3戦の先発を任された有原は7回2失点と力投を見せ。
1点ビハインドのまま迎えた8回裏では、3番・大谷を敬遠されて4番・中田勝負とされるも、その中田が見事に逆転タイムリー!
この一打は本当に今後の展開を左右する大きな1打でした。
広島としては最後の登板になるであろう黒田投手になんとしてでも白星をあげたい、そういった思いはあったはず。
本来ならば同点はやむなし、逆転のランナーは絶対に返さない。そういった場面。
けれども他ならぬ黒田投手の勝ち星。仮に頭では分かっていても体が自然と球を追いかけちゃったのかもしれない。
すべてが結果論になってしまいますが、守備固めを出していたら。
もしかしたら中田の打球をキャッチする、というファインプレーが飛び出ていたかもしれない。
そうなれば、完全に流れは広島へと傾いた可能性はありますよね。
ただ、あの1打があってもそのまま楽に勝たせてはくれないのが広島の強いところで。。
続く9回の表には守護神を任された谷元がマウンドに上がるも、広島の脅威の粘りに屈し同点に追いつかれてしまう。
しかし10回裏。1アウトから西川が四球を選んで出塁。代打・陽が三振に倒れて2アウトと追い込まれるも、大谷の打席で西川が盗塁を決めて1打サヨナラのチャンスを演出し。
大谷が内角低めのボール球を巧みに捌いてサヨナラタイムリー!
チームに勢いをつけるには持って来いのサヨナラ勝利でした。
第4戦も近藤の信じられないエラーで先制点を献上してしまうも、先発の高梨が失点をその1点のみで5回を投げきり。
その後を引き継いだバースも2イニングきっちり広島打線を封じ込めて。
すると6回には中田の同点弾が飛び出し、そしてそして8回にはレアードの勝ち越し2ラン!!
9回には再び広島打線の猛攻が飛び出し一気に追い込まれてしまいますが、マウンドを任された宮西が丁寧に低めをついて最後の打者を三振にとってガッツポーズ!
中田&レアードの一発で点をもぎとり、あとは中継ぎ陣で逃げ切る。
ある意味、シーズン通りのハムらしい野球での勝利でした。
これで2勝2敗のタイに戻すことに。
このままの勢いで3連勝したいところでしたが、第5戦も序盤に先制点を許し、追いかける展開に。
先発を任された加藤はCSに続いて試合序盤での交代になってしまうも、2番手のメンドーサが今季1のピッチング!
チャンスを作るも抑えられていた日ハム打線でしたが、7回先頭の賢介が四球で出塁すると、続く市川がしっかり犠打で送り、9番に入った中島が値千金の同点タイムリー!!
9回にも再び下位打線の賢介からチャンスを広げ、最後は西川によるサヨナラ逆転満塁ホームラン!!!!
この試合見ることができませんでしたが、試合結果を見て勝ったことにまずびっくりし。
サヨナラにびっくりし。
4点入っての満塁ホームランってことにさらにびっくりし。
打ったのが西川だっていうことで、もう驚きすぎて言葉が出ませんでした。
勝ったことによる喜びよりも、ただただ衝撃が大きかった。
そして最後の6戦目。
舞台は広島に戻って、さぁどうなるかというところでしたが。
サヨナラの勢いそのままに、1番に戻った西川がいきなり3ベースヒット!
このヒットはかなり大きかったですよね。敵地にやってきても勢いを継続することができました。
しかし相手先発の野村もさすがのピッチング。要所をきっちり締められ、ビッグチャンスを作ったのにも関わらず、最小失点で切り抜けられてしまう。
日ハムの先発・増井も決して調子は悪くはなさそうでしたが、ワイルドピッチで同点を許し。レアードの守備ミスも出てしまい、タイムリーを打たれることなく逆転。
3回は互いに0点で終わってしまうも、続く4回に大きな動きが。
先に仕掛けたのは栗山監督。
ヒットと相手のエラーでチャンスが広がると、ここまで打撃不調であった賢介がまずは1点返すことに成功。
続く大野はサードゴロに倒れますが、増井の打席のところで代打・矢野!
思いきって先発の増井を早い回から代えてきました。
その矢野も三振に倒れ代打策は実りませんでしたが、ここが勝負所だというのはチームに伝わったようで。
西川が右中間を破る今日2本目の3ベースヒットを放って逆転!
ただこのままで終わらないのが広島打線。
4回裏には捕手の石原に代え、代打・安倍を投入。その安倍が倒れ続く投手の打席で野村を諦め、代打・新井。得点には繋がりませんでしたが、負けじと攻めの姿勢を貫いてきました。
すると5回裏、代わった鍵屋から丸がソロホームランを放って1点差に詰め寄ると。
6回裏には代打・下水流によるタイムリー内野安打で同点に追いつく。
ただこの場面、中島がよく止めましたね! 抜けていれば逆転されてしまっていました。
同点に追いついたことで、広島は勝ち継投を投入。
7回今井、8回ジャクソン。信頼する投手陣に後を任せることに。
ただ、2人とも6連投だったんですね。短期決戦なので連投もやむなしなのかもしれませんが、移動日を挟んだとはいえさすがに6連投はキツかったんじゃないかなぁ。
それでも今井は7回をゼロで抑え。
8回もジャクソンは先頭の代打・杉谷、続く市川も打ち取り2アウト。
あとアウト1つまできたんですよね。
しかし追い込まれてから、1番・西川がヒットで出塁すると。
西川の足を警戒してか続く中島に集中できず、結果中島にもヒットを許し。
初回にタイムリー内野安打を放ったものの、その後の打席ではいいところがなかった岡にも打たれて2アウト満塁。
岡に打たれたのは計算外だったんじゃないかなぁ。満塁で中田に回すことは絶対に避けたかったはず。
その中田相手には徹底的に外へ変化球を集めるも、中田は余裕をもって見逃して。
3球目は際どいところへ投げ込みましたが判定はボール。ここでほぼ勝負は決まってしまったでしょうか。もう勝負はできず、勝ち越し点となる押し出し四球。
ネクストに大谷が控えていたのも影響を与えていたでしょうか。
元々大谷を打席に立たせる予定はなかったようで、打席にはそのまま投手の位バースが。
そのバースもまさかまさかのタイムリー!!
なんかね、打ちそうな雰囲気があったんですよ。これだから外国人投手の打席は分からない。
直前のバッティング練習ではホームラン打っていたようで。打つ予兆はあったんですね。
なおも2アウト満塁の場面は変わらず、打席には6番・レアード。
ここも不思議と打つ予感しかなかった。打つんじゃないかという期待感しかなかった。
でもまさか本当に打ってしまうとは!!
1イニング1挙6得点をあげ、スコアは10-4。
日本一に大きく近づく1打となりました。
8回裏はタイムリーを放ったバースがきっちり3者凡退に打ち取り。
9回裏、最後に試合を締めるべくマウンドにあがったのは、やはり谷元でした。
絶対的守護神となったマーティンを欠く非常事態となりましたが、谷元も本当によく投げきってくれました。
どちらかというとピンチの場面での火消し役の役割が多かったですけど、セットアッパーを任されたり、こうしてクローザーを任されたり。
今季は自らの頑張りで信頼を勝ち取りましたよね。
その谷元も1アウトから代打・西川にヒットを許しますが、後続をしっかりと討ち取ってゲームセット!!
待ち焦がれた日本一。
今でも信じられないけれど、新聞やテレビなどを見て、徐々に実感できるようになってきました。
自分のためだけでなく、誰かのために。
その思いのほうが思いがけない力が発揮されますよね。
選手の力を信じ、選手がどうしたら力を発揮できるようになるか、そのことに心血を注いでくれる。
そんな指揮官がいてくれたからこそ。
そんな指揮官のために頑張ろう!という気持ちになれる。
だからこそ、みんないつも以上の力が発揮できる。
あらためて人を信じる、その力の強さってのはすごいね。
選手らも本当によくがんばりました!
誰かが飛び抜けて活躍したわけではなく、それぞれが自分の役割をまっとうしてくれましたよね。
MVPは計3本塁打を放ったレアードが獲得しましたが、個人的にはバースにぜひあげたいっ!
そう思った人も結構多いんじゃないかな?
テンポよく投げ込んで広島打線を打ち取り、守備から攻撃のリズムを作るその起点を作ってくれました。
事実、バースは中継ぎ投手ながらシリーズ3勝をあげる快挙。
6戦目ではダメ押しのタイムリーを放ったし、影の勝利の立役者ですよね。
加藤なんかもそうでしたが、シーズン中は中継ぎが薄ければ中継ぎに回り。
先発が少なくなれば先発に回り。
調整が難しい中、不満も言わずに便利屋を引き受けてくれました。
サヨナラ満塁ホームランや1試合2本の3塁打を放った西川や、シーズン通りに徹底的に球数を投げさせ広島投手陣を位疲弊させた中島とかもアリだとは思うんだけど。
でもそれぐらいみんなが活躍したってことですよね。
勝って日本一になれたのも大きいけれど、それ以上に日本一を争う試合の中で選手らがあれだけ更に大きく飛躍できたのも大きすぎる財産となりました。
まだまだ若い選手が多いチーム。決して穴がなかったわけではない。存分に力を出しきれなかった選手だっている。
でも、それだけに伸びしろがあるってことですよね。
来季はどんなチームになってくれるのか。今からとっても楽しみです。
敗れてしまった広島も若い選手が多いチーム。
日本一を逃した悔しさを糧に、もっともっと強いチームへと成長していくはず。
ほんと強かった。ほんと怖かった。ほんとに手強い相手でした。
セ・リーグを独走して優勝した力は伊達じゃあなかった。
来季もそれ以降も、この強さにどんどん磨きがかかっていったら、さらに手がつけられなくなるんじゃないかな。
その可能性を大いに秘めているチームですよね。
それに、なんといっても、あれだけの大声援を送ってくれるファンがいるんだもの。
札幌ドームの試合ですら、広島の応援の方が大きいんじゃないかって感じてしまう。
そりゃ本拠地・広島となると凄まじい規模になりますよね。
テレビで観戦していても伝わる大迫力。勝ったからいいものの、もう2度とやりたくないって思わされてしまいました。
あれぞホームの力、ってやつですよね。
だからこそ、ファンの方々も一過性になることなく、ずーっとずーっと応援し続けていってほしいな。
両チームとも、長いきに渡る激闘、お疲れ様でした!
by memory_kairi
| 2016-10-31 01:21
| ●雑記